あひるの旅日記

あひるの旅の備忘録

#拡散希望 台風19号の被災地最前線にて

今回は真面目な話。旅日記はお休みです。

 

概要

タイトルにもあるように2019年10月の台風19号で甚大な被害を負った長野県千曲川沿いのボランティアに参加しました。

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私が行った場所

私が住む長野県須坂市の北相之島町というところに行きました。ここは頻繁にニュースなどで報道される長野市穂保地区の対岸にあたり、千曲川と八木沢川の越水による浸水被害を受けました。

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地理的な相関

参加に至った経緯

私は長野県が台風の被害を受けている間、宮崎県にいました。そこでは連日のニュースで堤防の決壊、越水、浸水などの被害が報道されていました。帰宅後も変わらずその爪痕を残し続けている様子を目の当たりにし、私にも何かできることがあるのではないかと考えました。そして私の通う長野高専の周辺も少なくない被害を受けたため、学校が休校になりました。そのようなこともあり日程的にも余裕が生まれ、参加を決意しました。

ボランティアの流れ

私は須坂市の災害ボランティアに参加しました。

詳細→https://www.city.suzaka.nagano.jp/contents/event/event.php?id=14970

まずは須坂市日野地区にある日野地域公民館に行きました。ここがボランティアの受付場所。朝9時から11時までの受付です。私は9時くらいに到着しました。

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参加者受付の様子

ここではまず個人情報の入力、そして一年間市内で有効のボランティア保険に加入しました。

その後はそれぞれ小グループごとに分かれ実際の被災地に市の車で行きました。

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ボランティア員基地の旧保育園

市の車が入れるのは旧相之島保育園まで。しかしここも水が来ていた様子。グラウンドは泥だらけでぬかるんでいました。そしてこれより先は道が狭かったり荷物であふれていたり、それを片付けるトラックが出入りしていたり。とりあえずここで下車して作業に必要なものを確保しました。

ここで私達の班(というか多分大体の班が持ってったもの)はスコップ、土嚢袋、一輪車、土かきなどです。

そしてその後担当のお宅を訪問。床上浸水かつガレージの中まで土砂が入っていました。まずはガレージの中の土砂のかき出しと外に出ているもの(水害でだめになってしまったもの)をまとめて粗大ごみ置き場に出しに行くのを同時に行いました。

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粗大ごみ置き場

私は主にゴミ捨てを担当していました。普段はただの道であるはずの場所一面にごみがずーっと置いてありました。そこはテレビやネットでしか見たことがない世界でした。

これらごみは定期的にゴミ収集車が回収に来ていましたが、圧倒的に置かれていくごみの数のほうが多く、そのうちあふれてしまうのではとも思ってしまいました。そして普段はこんな色じゃないはずの道。同じ市のはずなのに私の家の周りと全然違う...。

そしてごみ運び終了後は土砂のかき出し。

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積みあがった土砂と土嚢

集めた後に置きに行った場所を見てまた驚愕。街中にまだ片付けられていない土砂が山のようにあるにもかかわらずもうこんなに集まっていました。

作業は12時まで行ったところでお昼休憩。

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ありがとうマイファミリー

旧保育園まで戻ってお昼を食べました。中は埃っぽいし外の段差はもう埋まってたので鉄棒に寄りかかって。同行していた二人の昼食がカロリーメイト一箱とかいう舐めとんのか状態だったため近くのコンビニにも寄りました。こういう時はいつもやってるコンビニのありがたさが身に沁みます。

そして一時間も休憩があったため少し散歩。

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千曲川の堤防

千曲川の堤防に上りました。川側には普段は畑があるはずでしたが一面泥。なにか作っていたのかどうかすら怪しいほどでした。

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八木沢川沿い

そしてもう一方の氾濫した八木沢川へ。こちらも川沿いの草が泥だらけ。

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八木沢川のすぐ近くのりんごの木

これを見るとどこまで水が来たかよくわかります。このあたりは大体1.5mくらい水が来たようでした。

このあたりで時間になりそうなので午前中と同じお宅へ戻ることにしました。

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街中の空き地の様子

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街中の被害が大きいお宅

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家のわきの側溝

少し歩くだけでも被害の大きさを感じました。

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被災地のトイレ事情

そして下水道が止まってしまったためトイレも簡易トイレしかありませんでした。贅沢は言ってられないです。あるだけありがたいです。

そして午後は家の中へ入り、必要物品の選別や午前と同じように家具の運び出しなどを行いました。

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お片付け

そして作業は15時に終了。ただこれはこの日の作業が終わっただけであって全体の作業はまだまだでした。しかし安全面を考慮しての15時終了とのこと。しょうがない...。そしてお疲れさまでした。

その後

日野地区のボランティアセンターに戻り帰還報告。そしてそこでもらった温泉券を使って温泉に行きました。疲れを取って明日以降に備えます。

感想

まさか自分の住む町でこんなにも大きい災害が起きるとは想定してませんでした。テレビの、インターネットの向こう側の世界じゃなく目の前の光景としてそれがある。なんとも言い難い感情がありました。

この地区の住民の方々は昔から水害に対する備えを行ってきたそうですが、今回はそれを超える被害が出てしまったとのことです。もし次このようなことが起こってしまった時にすぐさま対応できるように常日頃から避難所の確認、物品の整理などが重要になってくると思います。

そして、ボランティアの数が足りていないようにも感じています。高専など休校でやることがない方などはどうでしょうか。一軒のお宅に5人で作業を続けると1週間以上かかります。力仕事だけがボランティアではありません。皆様のご協力をお願いします。

今回のボランティアを通して見たもの、感じたもの、その全ての経験を今後の糧にして生きたいと思いました。稚拙な文章でしたがここまで読んで下さりありがとうございました。

 

また、明日以降雨が降るそうです。被災地の方々、ボランティアの方々は安全面に最大限の配慮をしたうえでの行動をよろしくおねがいします。

 

2019年10月17日ーあひる